悪性症候群


 向精神薬(=抗精神薬ではない)の服用中に持続する高熱その他の重篤な副作用、という何だかよく分からない曖昧な定義の症候群。致死率は約20〜40%と高く、精神科の患者さんが高熱を出して筋硬直が有ると、看護師は「悪性症候群?!」とドキドキする(勿論特徴的な所見はこれだけではないが、分かり易い所見という意味で)。特に頸部硬直が有ると悪性症候群の疑いが高まるらしく、先輩ナース達は頸部硬直の有無を非常に気にする。ちなみに精神科医の中にも豪快というか大胆というか乱暴なドクターも居て、この既往がある患者さんに向精神薬をドサドサ投与してくれちゃったりすることが有る。そうなると、24時間患者さんと接しているナースはハラハラドキドキしながらバイタルサインズや全身の状態を観察しているのだが、往々にしてナースの不安に対してドクターは案外呑気なことが多い。一旦発症してしまうと、進行が非常に早く、予後も不良だったりするので、精神科では一番注意しなければいけない副作用。


 ちなみに以前勤めていた病院では悪性症候群のことを「マラン」と呼んでいたのだが、どういう語源なのか私はよく判らなかった。英語ではmalignant syndromeなので違うと思うし、フランス語のsyndrome malinから来ているのだろうか?(フランス語の発音は全く分からないのでこれも不明)


参考資料

看護・医学事典

看護・医学事典

HY>南山堂医学大辞典プロメディカ Ver.2 (<CDーROM>(HY版))

HY>南山堂医学大辞典プロメディカ Ver.2 ((HY版))

看護学学習辞典

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