行為障害
児童精神医学(精神科にも成人と小児があって、専門が分かれているのだ。勿論私の専門は成人の方)の範疇に入る疾病なので、あまり詳しくは知らないのだが、おおざっぱに言うと「反社会的な行動を持続的に繰り返し行う」児童の病気。病名は知っていたのだけれど、実際の患者さんを今日始めてみた。思ったのは、村上龍の「半島を出よ」に出てくるイシハラの元に集まる少年達や、「希望の国のエクソダス」のポンちゃん達みたいだということ。
詳しいことは書けないけれど、その子の反社会的行為に手を染めるところはイシハラの元に集まる少年達みたいだったし、インターネットやパソコンを活用して親から独立しようとするところは「希望の国のエクソダス」のポンちゃんみたいだった。村上龍の書き方からすると、彼は多分行為障害という病名(というか概念?)は知らないのだと思うけれど。
勿論、事実は小説と違うから、あの子は北海道に独立自治区を作ったり、北朝鮮のコマンドから日本を救ったりは出来ないだろう。でも、あの子みたいな子供達の万に一つの可能性を信じて、村上龍は「半島に出よ」や「希望の国のエクソダス」のような小説を書いたのかもしれない、と思う。
それにしても、非行に走る子供に手を焼いて、異物を見るような目で見て、物を扱うように接する親、というのはドラマや漫画や小説の中だけの話だと思っていたら、実在した。今日見たその子の親がまさにそうだった。本当にこんな親が居るのかと思って、びっくりした。
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