「当たる」

 患者さんが急に具合が悪くなる時に勤務していたことを、病院のスタッフは「当たった」とよく言う。しかも不思議なことに、「当たり」易いスタッフと「当たり」にくいスタッフが居る。そのスタッフがミスが多いとかそういうわけではなく、この人が夜勤をしていると絶対何か起こるんだよな〜等という、殆ど運の良し悪しの次元の話だ。ちなみに看護スタッフに関しては、患者さんの病状以外に、排泄の始末で「当たる」時も有る(やたらと失禁する人が多い日等)。


 私はどちらかと言うと「当たる」確立が高い方だと思う。先日も、こんなに大規模なのは数年ぶりだな、という急変と不穏に立て続けに「当たり」、ひどく消耗してしまった。まあ、或る程度「当たって」おかないと、緊急時に体と頭が動かなくなるので、たまに「当たる」のも悪くはないよね、等と不謹慎なことを考えたりしているのだが……(こんなことを考えているので「当たる」のではないか、という気もするが)。